生命保険に加入するとき契約者を誰にするかということは大事なこと。ちなみに契約者とはお金を払う人物。お金を払う契約者は契約に対してすべての権限がある。

良くあるトラブルは、奥さんの生命保険の契約者を夫に変更したりした場合に多い。夫の会社が団体割引があるので夫を契約者にした方が掛け金が安くなるから、という理由で妻が独身の時からかけ続けていた生命保険の契約者を夫に変更したりする人がよくいるが、生命保険は財産なので自分のものは自分が契約者になるべきもの。契約者は権限があるので、貸付を受けるのも解約するのも自由。夫がこっそり貸付をうけたり勝手に解約していた、なんてことが実際に起こる。意外にもこの手のトラブルは多いので注意が必要。
そんなわけで、家族の生命保険を勝手に解約しようとする人もいたりするので、生命保険会社は委任状がなければ、「契約者」本人以外の人からの解約や貸付請求には絶対対応しない。
息子の生命保険を解約に来た親が「実際お金を払っていたのは自分なのに」と言って窓口で大喧嘩になり「融通が利かない!!」と激怒したり、離婚した妻が、子供の学資保険を今後自分が支払うので契約者変更したいと申し出たものの、契約者変更手続き自体に、現契約者の夫の署名捺印が必要なため、離婚訴訟でへそを曲げている夫が手続きに応じなくてトラブルになる例もあるようだ。
契約者は権限があるので、だれが契約者になっているかという事はとても大事なことなのである。
生命保険の掛け金は、同じ生命保険でも年齢によって値段が違う。年齢が高い方が、若い人よりも死亡確率が高くなるから、掛け金も高くなる。
もう少し具体的に、掛け金(保険料)の成り立ちを説明しよう。
生命保険の掛け金は、「予定死亡率」「予定事業費率」「予定利率」この3つを計算して設定される。
1「予定死亡率」は、同年齢の人が1年間に死亡する予想確率
2「予定事業費率」1年間の予定必要経費(人件費・他経費すべて)
3「予定利率」1年間の予定運用利率

1と2から算出した金額から、3を引き算する。2と3は同じでも、1の死亡率は年齢性別によって差があるため、年齢によって掛け金が違うのである。
この3つで算出した掛け金により、生命保険会社は1年間運営される。そして1年ごとに実質がどうであったか計算され、総合的に余剰金(もうけ)が発生すると、配当金として分配されることになるのだ。
最近の傾向としては、金利の低下により予定利率が下がって貯蓄商品は特に値上げ傾向。また長命化(日本は長寿国)により予定死亡率は下がって、高額保障型商品は値下げの傾向が進んでいる。
いま金融自由化によって生命保険は価格競争の時代。安くて良い生命保険を各社いろいろと開発し新商品が出ている。しかし安くするために出来る事とは??「死亡率」は変えられない、「予定利率」も金利が低く見込めない、となると残るは「事業費率」。経費節減・給料カット・リストラ・営業所統合など、生命保険各社事業費率を下げる努力をしているようだ。
しかしそれは翻ってみれば、顧客サービスの低下を意味する事にもなる。地域の営業所が減ったり、人手が減れば当然サービス度は下がるというわけだ。生命保険会社の対応が悪い、という話しやトラブルは実際増加傾向にあるのだ。
当たり前のことだが、生命保険は掛け金を払わないと失効してしまう。生命保険失効中の入院や死亡については、保険金は出ない。この辺は生命保険会社はシビアなので、払い忘れには十分注意が必要だ。
生命保険失効の猶予期間は1ヶ月。月払いの場合、例えばうっかり口座にお金を入れ忘れたりした場合、その翌月に2ヶ月分引き落とされるが、続けて2ヶ月口座残高が足りなかったりすると、その月末には、即失効してしまうことになる。万一失効した場合は、直ちに「復活手続き」をしなければならない。
失効した生命保険を復活する場合はその時点の体調を告知する必要がある。なので、加入時には発病していなくてもその後、病気が発覚していた場合は復活できないケースもあるのだ。

もちろん運悪く生命保険の失効中に死亡したり、発病したりしても保険金は出ない。生命保険に加入時には健康であっても、その後健康診断でなにか引っかかったり、血圧が高くなったなど、自分でたいしたことはないだろうと思っても健康状態に変化のあった人は、生命保険の復活の際に告知しなければならないわけなので、絶対に失効させないよう気をつけよう。
実際に契約者が生命保険の失効中に脳梗塞になったり、重い病気になって病院費用が沢山かかったために、お金が足りなくて生命保険を失効させてしまった、という例は多々ある。
何のために生命保険に入っているのかを考えると非常に切ない話だ。掛け金の支払いを軽く考えず、絶対に忘れないようにしたい。
「定期付き終身」というのを知っているだろうか?これは「終身保険」という貯蓄性のある生命保険の上に「定期保険」という掛け捨ての生命保険がのっかている、という形の生命保険である。終身保険部分の割合が低いほど、掛け捨ての比率が高く、その分掛け金が安くなる。
実は、この「定期付終身保険」は日本では現在主流の商品で、特にサラリーマンの方が入っているのは殆どがこの生命保険だと聞いたら驚くだろうか?
さて、この「定期付終身」は、更に「全期型」と「更新型」というタイプに分かれる。
「全期型」・・・掛け金が変わらない。
「更新型」・・・途中で掛け金が変わる。初め安くあとで高くなる。
(例:10年更新型---10年ごとに値段が上がる。
年齢が若い人は15年・20年更新型。)

で、この更新型はたとえば最初の10年は値段が安いけれど、10年後にいきなり高くなるので、更新時にみんなビックリする。「聞いてないよ~!!」という人も多いが、殆どは10年前に聞いた説明を忘れてるのだ。そんなわけでトラブルになったりすることが多い。
では更新型が悪い商品か?といえばそういう事ではない。
更新型のメリットは、安い掛け金で必要な保障を用意できること。10年毎に、掛け金が上がるということは、言い換えれば初めの10年の掛け金が安いということになる。生命保険の必要保障額は、家族のいる人は子供の年齢にともない下がって行く。だから10年後に、保障を下げればいいので、更新型というのは無駄が少ないと言えるわけ。また時代のニーズで新商品が開発されるし、物価は変化するので保障型保険は途中でが見直しをするニーズが発生する可能性もある。そういう訳で、なるべく掛け金が安い更新型には大きなメリットがあるのだ。日本の大手生命保険会社は更新型を主力に販売している。
しかし、更新型が適してない人もいる。下記にようなケースだ。
・高額保障が必要ない人、例えば、子供がいない人、子供が大きい人、あとは女性、など。こういう人は途中で値段が上がらない方がいいので。
・10年後も高額保障が必要な人。子供の年齢などによる。
・相続税対策が必要な人。終身保険に入った方がいい。
・金持ち。掛け金が高くても掛け捨てではない方がベター。
・必要保障額が変わらない人、例えば経営者が入る経営者保険。社長は年を取っても会社の規模が小さくなるわけではないので必要保障額は下がらない。
・あとは途中で値段が上がることが気になる人。自分の好みの商品に入るべき。
全期型のメリットは掛け金が変わらないこと。はじめの掛け金は高いけど、更新型を最後まで保障額を変えずに更新した場合の、トータル掛け金と比べると、全期型のトータル掛け金は安くなる。必要保障額を下げたくない、途中で掛け金が上がっちゃ困る、という人は全期型を選んだほうが良い。ちなみに外資系生命保険会社は全期型を主力に販売してるところが多いようだ。
販売側の戦略で、こっちの方がいい、こっちはダメだといった評価があるけれど、「全期型」「更新型」それぞれに特徴があるわけで、もともと、どっちが良いとか悪いとか言うものではない。自分にどっちのニーズが当てはまるかということが重要なのだ。
